【書評】「父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え」

書評

ジェイエル・コリンズさんの本を書評です。

昨今投資に新規参入される方も多いですが、日夜チャートを目で追っている方も多いのでは。こちらの本は無理な投資はせずに、長期目線として日々のんびりと投資する方を対象にしています。本書はじまりの一文が衝撃的です。

〇「裕福になる早道」にようこそ!

そうこの本を読んだ方はお金持ちになれるんです。早く読みたくてうずうずしてきたでしょう?早くお金持ちになりたい!そんな方必見の本となっております。

筆者は冒頭で3つの原則を掲げています。

▶支出は稼ぎより少なくする

▶余りは投資する

▶借金をしない

たったこれだけです。これだけでお金持ちになれるんです。

それでは書評をはじめていきましょう。

「父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え」概要

著者:ジェイエル・コリンズ(小野一郎 訳)

出版社:ダイヤモンド社

出版年月日:2020年1月22日

ページ数:300ページ

コリンズさんはファイナンシャル・ブロガーであり、1975年から投資を行っている個人投資家とのこと。何度か転職をするうちに、気が付くと働かなくても暮らせるようになっていた。それはシンプルな投資のみを実践し、収入の半分を投資し借金をしないというもの。インデックスファンド投資のみで経済的自由を手に入れています。その中で娘さんに「お金と投資」の手紙を書くと同時に、ブログで公表すると世界中で注目されるようになりました。娘さんに向けた内容ですが、その内容は万人にわかりやすい内容となっており、インデックス投資のたしかな可能性を広めることになったのだと思います。

また訳者の小野一郎さんは東京大学卒。日本興業銀行等を入行されているとのこと。訳書もいくつかあるようです。

経済的自由の道

あなたはなぜ、経済的自由を目指しますか。会社で働きたくないからという理由が大多数の意見と思います。この世界を生き抜くには、お金は強力な武器となります。しかし使い方次第では、お金に使われてしまう結果となり、散々な目に逢うこともあるのです。

本書はそんなお金のあり方に触れています。投資は素人が簡単にできないものなのか。多少の勉強は必要ですが、まずは踏み込む一歩が大事なのではと思います。投資は難しいものという固定観念は捨てましょう。これを複雑にし、大儲けしている人たちがいるのです。しかし本書に書かれているシンプルな投資方法を実践するだけで簡単にお金が貯まります。

筆者は転職を何度か経験し、仕事をしていない時期もありました。そんなときでも、「会社に縛られないお金」があることで、生活はできていたのです。

ここで守ったことは主に2つを筆者は実践していました。

・収入の50%を貯蓄

・借金をしない(ローンは問題外)

収入の50%と聞くと、無理な気がしてきます。私自身も無謀な金額なのではないかと思います。なんとか無駄遣いを減らせば無理な金額でもないかもしれません。

借金については、してしまっている方がいるのではないでしょうか。家や車のローン、奨学金のローン等も含まれています。借金には利息が必ずといって良い程発生してしまいます。そしてこんな状態の私たちに筆者は下記のように語っています。

〇多くの人が借入金まみれなのに幸せそうにしていることが、私には信じられません。

そう、当たり前のようにマイホームやマイカーを持っていてもそれは借金をしているにすぎないのです。すると利息が発生し、大きく損をしているのです。借金は早く返すことが鉄則となります。そして余った分を投資をする。たったこれだけでお金持ちになれます。

投資をすれば、そのお金が働いてくれる、どういうことかというと、投資をしたお金は利息が生まれ、その利息がまた利息を生みます。要するに福利が生まれることになるのです。この機会損失をすることで働いてくれるはずだった、お金が無くなってしまうのです。

では投資を早速はじめたいと思える方がいたとしましょう。はじめたいが市場が底値になるまで待ち、そこから投資すべきですよね。という方が多くて、はじめられないのではと思います。

かくいう私も底値を待って、はじめられない時期が数か月にも及んでおりました。

〇大きな市場暴落は次々にやってくる。長期間投資していると、小幅な下落や反発は数えきれないくらい起こる。短期的な投資は、投機と呼ぶしかない。暴落は誰にも予想できない。

そう、底値をしっていれば誰も投資で損しません。みんなお金持ちになっているのです。短期的な投機をせずに、堅実に長期的な投資をすれば一旦訪れる下落も小さな波でしかないです。よって投資するのは今かという質問は愚問でしかなく、投資すべきかどうかというシンプルな答えでしかありません。決めるのは自分自身です。

投資とはシンプルなもの

1976年にバンガードの創設者ジャック・ボーグル氏が世界初のインデックスファンドを始めた。

1992年にバンガードは株式市場全体をフォローするファンド(トータル・ストック・マーケット・インデックスファンド)を創設した。これはアメリカの株式市場全体を所有できます。

この至ってシンプルなインデックスファンドは、大きな利益を生むことができます。複雑な投資は成功を妨げる要因となり、多くの人に騙されると言ってもいいほどです。

しかしリスクのない投資というものは存在がしない。投資をすれば常にリスクが付きまといます。回避方法はどのリスクを選ぶかといったことのみです。勝てる銘柄を選ぶことは不可能。これは創設者のジャック・ボーグル氏も「勝った人に会ったことがない」と言い切るように、非常に難しいことなのです。

〇「すべての卵を1つのかごに入れて、そのことを忘れましょう」

保有している株をかごにたくさん詰め込むと整理したくなりますよね。それをやめてまずは放置しましょう。気づいたらお金が増えています。そう、購入したら何もしなくて良いのです。失敗する人ほどかごの中身を弄り回してしまうのです。

リスクについて

ほんとにそんなにそんな増えるばかりなのか?もちろんリスクもあります。

・通貨リスク

アメリカドルとの為替レートは変動するため、為替変動リスクに常に晒されます。

・手数料

投資アドバイザーなるものに騙されてもいけません。売買をするたびに、販売手数料なるものが発生します。そこで儲けている存在を忘れてはいけません。

そんなリスクにも対応する方法があります。それはリスク対応できる気質。調整できるかの柔軟性。生活コストの見直し、債券への移行等です。

またドルコスト平均法を採用した場合、下落した場合のリスク軽減をしています。ただ本書の場合77%強の確率で市場は上昇するとのことです。しかしリスクに耐えることができない場合はドルコスト平均法でもやむを得ないのではないでしょうか。

娘に伝えた教え

今まで述べてきた基本的なことを筆者は娘に伝えたようです。それは借金をしないことや収入の50%を蓄えに回すこと等本書で記載されてきたこと、経済的に無責任な人とは付き合わないことや派手なライフスタイルの罠にはまらないといった娘として守ってほしいこと等、もっと具体的なことなどが多く記載されております。

そして自由というものこそ、お金で買える最も価値のあることだと触れています。本書を最後まで読まれたならば、投資の実態を理解し、理想的な資産の増やし方を習得されたはずです。

資産形成について、考えさせられる本書ですが、是非一度手に取ってください。自由になるにはお金は付き物です。今の生き方をもっと自由にしませんか。

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