【書評】「人は話し方が9割」

書評

永松茂久さんの本を書評です。話下手な方なら書店で手にとってしまうタイトルです。話し方という観点だけでなく、話す内容といった部分でも大きな変化を与えてくれる本となっております。。

それでは早速始めていきましょう。

「人は話し方が9割」概要

著者:永松茂久

出版社:すばる舎

出版年月日:2019年9月14日

ページ数:238ページ

永松茂久さんは、大分県中津市生まれ。株式会社人財育成JAPAN代表取締役。永松塾主宰。知覧「ホタル館富屋食堂」特任館長。と肩書きが多いですが、それだけ素晴らしい方なんです。いくつか書籍も発行されており、累計発行部数は100万部を突破しております。

そんな著者は冒頭から核心をつきます。

会話がうまくなる方法は、苦手な人との会話を避けて、好きな人との時間を費やす。たったこれだけ。

たしかに好きな人との会話は弾みますし、饒舌になりますもんね。

話し方の変化

日本は昔から話さなくとも、以心伝心で行間を読み取る力があると言われてきました。しかし欧米文化が浸透した結果、そんなことはなくなっています。

いかに話して、いかに伝えるかが人間関係を作っていくための大きな要素となっています。

そしてそれには、自己肯定感がとても大事なんです。

自己肯定感を持つことは、自信を持つこと、自信の源となるのです。しかし何百人と出会ってきた中のたった1人から言われたことを気にして萎縮し、自信を喪失し、自己否定に陥ってしまい、話し方における自己肯定感が失われてしまっている状態と言えます。これを自己否定感と言います。

聞く重要性

社会という場はとにかく、一人ひとりのパフォーマンスが大切な場となります。パフォーマンスがあがれば、打ち合わせの場でもとにかく発言することができます。

そこで大切なのは質より量です。自信を持ってとにかく発言することが大事なんです。

また話す力よりも聞く力の方が重要なんです。営業マンが話しすぎて、商品を買ってもらえなかったなんでザラなのでは。問題はお客さんの悩みを一緒に解決すること。商品を売りつけることではありません。

それにはまず、お客さんの話を聞かないといけないんです。

話を聞く側にもテクニックがあります。相手の話を引き出す、拡張話法なるものがあります。これは結果として、自分のことに興味をもってくれた!また会いたいな!と思わせるものです。順序としては、

〇感嘆→反復→共感→称賛→質問

感嘆でそうなんですかー!と感銘し、反復で相手の話を反復し、共感で相手の感情に寄り添う、称賛で感嘆の10倍をし、質問する。

相手の話を広げることで、気持ち良く話せたなと印象を持ってもらうことができるのです。

拡張話法

無意識の力を使うということを意識したことはありますでしょうか。例えば習慣化している洗濯を例にすると、洗うものの選別や洗剤は何を使うかで考えたりしますが、習慣化しているのでそんなに思い悩んで洗濯する人はいないかと思います。その他も同じなんです。

習慣化した作業には無意識の力となり、苦行ではなくなるんです。

ここで筆者が提案していることは、

①トイレの天井にキーワードを貼り付ける

②スマホの待ち受け画面にキーワード

この習慣の中に自分の話したいキーワードを取り入れることで、無意識の力を発揮できるのです。

話し下手な方へ

筆者は流暢に話せない方は、うまく話そうと思わなくても良いとのことです。

〇話すことが苦手なら苦手と、開き直ってもいい。流暢に言葉が出てこなくても、焦らなくいい。じっくり言葉を選びながら、ゆっくり話せばいい。

言葉というのはコミュニケーションツールなので、言葉を通じて思いが伝わることも最も重要なんです。

そして話をするときも、正論を振りかざすのではなく、好かれる話をすることがコツのようです。好かれる話とは、相手が求めている話をします。

つまりは売り込んだ話をするのではなく、お役に立ちたいという情報を話しをするんです。

自分が売りたいものの話を正論かざして話をしても、絶対に売れませんよね。そうした視点を変えて話をすることで、好かれる話へと変更することができます。

また正論を振りかざすのもそうですが、人を巻き込む際は熱すぎる感情をぶつけても人が離れていってしまうことも考えられます。惹かれて話を聞こうって思える人とはどんな人を想像するでしょうか。

答えは楽しそうに語る人です。楽しそうに夢を語る人とかって、とても惹かれますよね。応援したくなったり、何かしらの支援をしたり。ビジネスでも一緒かもしれません。プロジェクトを始動するのに、楽しくそうにやっている人と一緒にこなしたいものです。

大好きな方との会話

もっと仲良くなりたい!こんな瞬間に空回りして、相手から引かれてしまった…という経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

効果があるワードとしては、話しを聞いたあとに「それでどうなったのか?」ということを聞けば、相手が話をしてくれることが多いのです。

〇人は誰もが自分ことをわかってくれる人を好きになる。人は笑わせてくれる人よりも、一緒に笑ってくれる人を好きになる。

アドバイスに気を付けること

他人から相談されることって、友達や職場の後輩からはよくあるのではないでしょうか。

そんなときは聞く姿勢はもちろんなのですが、持論を押し付けないことが大事です。自分はこんな考え方だからと謙虚になる姿勢です。押し付けにならないようにそっとアドバイスが適格かと思います。

また叱るときもコツが必要なんです。

失敗したときに、あたなはこれがダメ。人格を否定してはいけません。人は自分が見出した「意味」に従って行動しています。相手から行動の「意味」を奪ってしまいます。

これは相手の存在を否定し、自己肯定感を否定することになります。叱ることには労いを込めることが大事なのです。

また叱られた側も、叱った側への謝罪と同時に感謝を伝えることが大事なのです。今度からできるようにします、また遠慮なくご指摘くださいと。

また叱りすぎて、頑張れを効果的に使うのは下記の方法が良いのかと思われます。

①ちょっと力を抜こうと話す

②頑張りたくなるように話す

③未来の話をする

嫌われる話し方

こんな人いるのではないでしょうか。

①人によって態度や話し方を変える人

目上の人に丁寧に話すのは当たり前。しかし目下の人にも丁寧に話さないのは筋が通っていません。男性と女性。強面の人と大人しい人。誰であってもブレずにすべての人と同じように話ができる人が良いです。

②下ネタを話す人

面白いと思って話しているのかもしれないが、リスクが高いのです。自分は笑いながら聞くくらいが良いでしょう。

③相手の話を奪う人

自分の興味の話になるや否や、すぐに話にノッてきて話を奪う人を時々見かけます。相手の話を聞くという基本姿勢は崩さずに徹しましょう。

④なれなれしい口調

初めて会ったのに、いきなりタメ口。これってとても不快です。相手の同意をとれるようであれば、良いのかもしれませんが、自分だけでなく、他人の会話として聞いていても不快なことこの上ありません。

良い会話をするには

良い会話というのは安心から生まれています。

つまりはリラックス時から良い会話は成立するものです。

自分に肯定的な人であれば、何も気負わずに話せるものです。

難しい人への攻略法。平等に良いコミュニケーションをとる方法。は必要ありません。

話しやすい人とたくさん話すように意識し、できる限り相手も話しやすい空間を作ることが、話すのが苦手な人のメンタルブロックを外すことになります。

最後に

究極のスキルについて、本書の最後に記載があります。

それは本書を手に取ってみてください。

気持ちが楽になってきますよ。

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